カンボジアの事業所得税(法人税)での主な損金不算入項目

 カンボジアの事業所得税(法人税)での主な損金不算入項目として、交際費や源泉徴収漏れにより負担した源泉税、罰金、引当金、支払利息等があります。

以下、控除(損金算入)が制限されている費用について、説明していきます。

● 交際費
娯楽や遊興と一般に考えられている活動及びそれらの活動の手段として発生した費用について、は控除できません(カンボジア税法(Law on Taxation)第19条第1項)。それらの活動には、顧客等の為に負担した、個人旅行費用やレストランでの食事費用、宿泊費用が含まれます(Prakas on the Profit Tax 第5.6条第6項)。

● 源泉徴収漏れにより負担した源泉税
税法上源泉徴収を義務付けられている源泉税を源泉徴収せず、自己負担にて納税した源泉税は控除できません(Prakas on the Profit Tax 第5.10条第4項)。源泉税は、課税対象の費用の支払側が負担するものではなく、収益として受け取る側が負担するものである為、費用の支払側が経費として控除はできません(Prakas on the Profit Tax 第5.7条第3項)。

● 罰金
加算税、延滞利息等の罰金は控除できません。主な控除が出来ない罰金には、加算税、延滞利息、関税に関わる罰金、経済法・競争法の規定による罰金、刑法罰としての罰金等があります(Prakas on the Profit Tax 第5.10条第1項)。

● 引当金・資産評価損
引当金については、費用発生の事実や債務額の確定等、経費として控除が認められる為の一般的要件を満たしていない為、控除できません(Prakas on the Profit Tax 第5.2条第1項)。
貸倒引当金については、国内銀行や預金取扱機関については、認められています(Prakas on the Profit Tax 第2.7条第1項)。
会計上計上された資産評価損についても、売却や除却等により損失が実現しない限り、控除が認められません(Prakas on the Profit Tax 第7.1条第4項第c号)。

● 支払利息
支払利息については、同課税年度中に計上された受取利息と、受取利息及び支払利息考慮前の課税所得の50%との合計額に、損金算入が制限されています(Prakas on the Profit Tax 第5.9条第6項)。従いまして、当期受取利息の発生が無く、かつ欠損(赤字)である場合は、支払利息の控除は全く出来ません。

以上が主な控除が制限されている費用ですが、事業において必要性が無いと考えられるあらゆる費用について、控除が認められない可能性があります。