会社等の法人(VAT登録者)が顧客へ請求書を発行する際、相手方がVAT登録者である場合は、VATインボイスの形式にて請求書を発行しなければなりません。
VATインボイスの形式である為には、下記の要件を満たす必要があります(カンボジア税法第77条、VATに関する政令第42条、VATに関する経済財政省令第42条)。
- 連番である事
- VAT Invoiceである事を示すタイトル
- 請求書上に下記の記載
- 売主の名称及びVAT番号
- 請求書発行日
- 買主の名称及びVAT番号
- 取引対象の数量、内容、単価
- 特定商品・サービス税及びVAT等考慮前の取引金額(VATの課税標準)
- VATの金額
- 取引対象の物品やサービスの提供日(もし請求書発行日と異なる場合)
また、VAT登録者である買主は、VAT登録者である売主に対して、VATインボイスの発行を求める事が出来ます。
このVATインボイスの発行を怠った場合には、罰則があり、2回以上税務当局によりインボイスの不発行を認められた場合、税務当局は違反の都度、7日間を上限に事業所の閉鎖を命令できます(カンボジア税法第78条)。
買主がVAT登録者でない場合は、VATインボイスの形式である必要はありません(コマーシャルインボイスと呼ばれます)。
また、VATインボイスに関連する注意点として、取引が役務提供であり、売主であるVAT登録者がVATインボイスの発行を怠り、要件を満たさない請求書の発行を行なっていた場合、税務当局が、買主側にVAT非登録者からの役務提供を受けた場合に要求される源泉徴収税15%(カンボジア税法第25条第1項a.1)を課す事例が確認されております。
会社等のVAT登録者は、VAT登録者である売主からの請求書発行を受ける場合は、VATインボイスの要件を満たしているかを確かめ、異なる場合は発行を求める事が重要です。