カンボジアで飲食業を開業するにあたっての税務上の留意点

 飲食店を開業した場合の税務申告については、基本的に他業種と変わりませんが、酒類やたばこ類の販売が伴う場合には、月次申告において販売した全ての酒類及びたばこ類の売価の3%の公共照明税(Public Lighting Tax)を申告、納税する必要があります。これは、主に法人に適用される実態管理様式課税制度(Real Regime Tax System)、主に個人事業主に適用される推定管理様式課税制度(Estimated Regime Tax System)のいずれにおいても、納税の必要があります。

上記の税額計算をする為に、酒類及びたばこ類からの売上と、他の売上とを分けて記録をしておく必要があります。推定管理様式課税制度適用の個人事業主の場合で、売上を分けて管理する事が出来ないような状況である場合には、税務職員が納税者への質問や関連資料の査閲等で、売上の割合を判定し、課税するケースがあります。

また、この公共照明税の3%については、販売時に売価に上乗せして顧客から徴収する形、顧客から徴収せず事業者が負担する形、いずれでも問題はありません。

 なお、この公共照明税に類するものとして、特定商品・サービス税(Specific Tax on Certain Merchandises and Services)があります。これは、一定の課税対象の商品・サービスについて課される税金で、対象品目には、商品では、ビールやたばこ、ソフトドリンク等、サービスでは国外への航空輸送、国外への通信サービス、ホテルサービス、娯楽サービス等があります。ただ、この税は、商品については、課税品目の輸入者若しくは製造者に課せられるものですので、カンボジア国内の卸売業者からビールやたばこを仕入れて、店舗で販売する限り、この税の納税の必要はありません。